「人間失格」ああ、そうですか

 久々に太宰治の「人間失格」を読んだ。夏目漱石の「こころ」も一緒に買ったのだが、奇しくもこの両作は日本の純文学の売上一位を競っているらしい。

 さて、この「人間失格」なのだが、

・実家が大金持ち

・女にもてまくり

・友人や世話人がいる

という状況で学校をサボり、酒を飲みまくり、薬漬けになって「人間失格」なのである。ああ、そうですか、としか言いようがない。

 永山則夫が最初に出した本の題名は「無知の涙」だったのだが、もうちょっと考えてつけたらどうだ、と言いたくなる。

 「大失敗、ヒモ男の独り言」ぐらいにしておけばいいと思うのだが、だったら「人間失格」ほど売れなかっただろうな。

 ちなみに「人間失格」の最終回は太宰の死後、雑誌に発表され、その辺りの事情は太宰のことを面と向かって嫌いだと言った三島由紀夫も同じなのである。