野に咲く花を我が物にしようと国境を設けるヤツがいるから戦争が起こる、みたいな歌詞だが、そんな前提はただのファンタジーである。歌の詞なんてフィクションだから、そんなに真面目に解釈しなくても、フィクションはフィクションとして楽しめばいい。
だが詩に使われる言葉は何かの暗喩である場合が多い。この歌の「花」とは何であろうか。私は思う。それは「無料で使えるインターネットの技術やコンテンツ、人々が共有すべき情報」のことではないかと。
UNIXの関係者らが作り上げたあれやこれやのプロトコル、オープンソースのソフトウェア。それらのおかげで私たちはインターネットを楽しんでいる。しかし、twitterやGoogleの使用を国民に許さない国、つまり国境を設けている人はいないだろうか。自由を標榜する西側にだって、クラウド化を進めるにあたってOSなどの技術の囲い込みを目論んでいる企業はないであろうか。
そういうことを考えていると、この歌は他人事ではない。現在、ウクライナ情勢の方がよっぽど緊急に対処すべき課題ではあるが、そういう見方だと問題を自分のものとして捉えやすい。