管理部門

 学生の時、寮祭の食堂の係になった。割当は住んでいる階で決まり、強制的である。大したノウハウも与えられず、手探りで食堂のメニューや食材の手配などを行わなければならない。

 ある日、紙コップを大学の先輩のツテで安く仕入れることができたので、早速購入して寮に持ち帰った。すると、会計係のやつが、

「それ何?」と聞くので、

「寮祭で使う紙コップ」と答えた。すると返ってきた言葉が、

「そうか。無駄遣いするなよ」であった。

 無駄遣いしたくないから、こうして飛び回っているのだ。

 結局、会計などの管理部門は楽でいいのだ。それは社会でも同じこと。だけど、それははたして楽しい仕事なのであろうか。それに小説家よりも評論家の方が多くなってしまっては、あんまりいい世の中とは思えないのだが。