大腸ポリープ

 十年前、便潜血検査で陽性となり、大腸内視鏡検査を受けた。そこで大腸ポリープを二個摘出した。この頃はトイレでお尻を吹いた時、紙に血が付いてたりしてたのだ。「痔か?」と思い恐怖におののいたものの、病院には行かなかった。大腸ポリープを取ったら、それもなくなった。

 その時の大腸ポリープが小さかったこともあり、便潜血検査を続けていればよい、という話を先生から聞いた。つまり「X年後に大腸内視鏡検査が必要だ」みたいな話はなかったのである。その代わり血液の数値が悪いので、そっちの方がはるかに心配だ、と忠告された。

 その後、私はいろいろあって血液サラサラの薬を飲むようになった。

 私の父方の祖母は大腸がんで死に、父とその兄弟六人のうち三人が大腸がんである。末っ子の叔父が大腸がんの手術を受けたり、何と私の母まで便潜血検査で陽性になったりしたため、私は恐る恐る自分も大腸内視鏡検査を受けてみる気になった。前回から十年経つが、その間便潜血検査が陽性になったことはない。

 歳のせいか、この十年ってあっという間だったなあ。「あれからもう十年?」という感じである。まあ、そんなことはいいとして、結論として大腸ポリープが三個見つかった。ただし、血液サラサラの薬を飲んでいる関係上、今回は検査だけで切除はしない。切除するなら総合病院を紹介するが、この大きさならすぐにどうこうするレベルではない、と言われ、下剤で苦しい思いをしたばかりの私は、今回はいいです、と断った。

 私は当分、大腸ポリープと共に過ごすことになる。

 教訓として言いたいこと。1)便潜血検査は陰性でも大腸ポリープは見つかることがある。2)大腸ポリープは切除を勧められるが、実は焦らなくていい場合もある。

 でも、これは今回の私に限ってのことだがら、鵜呑みにしないようにしてください。