風邪をひくのは馬鹿というのは正しい

 今日、電車に乗ったら風邪をひいている男が前の席に座った。私はカバンの中にマスクを入れていたので、予防のために装備した。

 思うに風邪をひいて外を出歩く人間は、人間というよりもウイルスの運び屋である。イカを輪切りにすると食べやすいが、それは何だかんだ言ったって、イカが「人間に食べられるために進化」したからだと思う。それと同じで、咳をしながら電車に乗る人間は「ウイルスを撒き散らすために進化」した生き物でしかない。

 男は雑誌か何かに読み耽っていたが、一方で鼻くそをほじるのに夢中であった。電車がトンネルに入ると、鏡に反射してよく見えるのである。鼻の穴の中に多量の鼻くそを抱え込んでいたと思われる。

 こいつは色んな意味で馬鹿なのである。画面のでかいテレビを買って自慢するタイプに違いない。「お前の家のテレビって何インチ?」と質問し、「知らない」と答えると、「まあ、せいぜい30インチぐらいだろうな」と勝手に決め付け、「だったら、俺の家のテレビの方が大きいな」と悦に入るのである。そんなタイプの人間だ。

 一方、私は賢いのでウイルスの餌食になったりはしない。せいぜい、日経225miniで負け続け市場の餌食になる程度である。しかもたまには風邪をひくので、「賢い」というのも偽証のおそれがある。